4件の入金を、同じ方法では処理できませんでした
飲食店向けの包材を卸す「ひなた包装」の佐藤美咲さんは、配達を終えるとその日の入金を整理します。この日は、次の4件が残っていました。
- キッチンこはるから、9月22日の弁当容器代 28,600円を受け取った。
- 喫茶レンガから、9月18日のカップ代14,500円と9月25日のフタ代21,600円を合わせた 36,100円が入金された。
- みのり食品から、どの納品分か書かれていない 50,000円が振り込まれた。
- 川辺商店から、Salesdocks導入前の台帳に残っていた 9,000円を回収した。アプリ内に紐づける販売はない。
どれも売掛金を減らす入金ですが、意味は同じではありません。販売との紐づけを確認せずに取引先の残高だけを減らすと、取引先の売掛金は0円なのに販売明細は未納のまま、といった食い違いが起きます。
金額より先に確認したいのは、その入金がどの販売に対するものかです。
- 対象が1件の販売なら、その販売から支払いを登録する。
- 複数の販売をまとめた入金なら、対象を複数選択する。
- 対象は不明で入金額だけ分かるなら、金額で入金し、古い販売から充当する。
- アプリ内に対象の販売がなければ、掛け履歴に手動売掛金回収を追加する。
1. 1件の販売と金額が一致するなら、販売明細から支払い登録
キッチンこはるの28,600円には「9月22日 弁当容器」とメモがありました。佐藤さんが販売 #537を開くと、未納金額も28,600円です。取引先、商品、納品日、金額のすべてが一致しています。
販売詳細で 支払い登録を開き、受け取った方法と28,600円を入力します。残額が0円になったことを確認して記録すると、同じ販売の支払い履歴に日付と金額が残ります。

入金と販売の対応が明確なときは、この方法が最も追跡しやすくなります。後日「この28,600円は何の代金だったか」を確認する際も、納品した弁当容器と支払い履歴を同じ販売画面で見られます。
今回は全額を入力したため完済しましたが、未納額より少ない金額を登録すれば一部支払いとして残ります。単なる「完済ボタン」ではなく、指定した1件の販売に入金を紐づける操作と考えると分かりやすいでしょう。
2. 複数の販売をまとめて受け取ったら、対象を選んで一括処理
喫茶レンガには、カップとフタを別の日に納品していました。
- 9月18日:PETカップ、14,500円
- 9月25日:PETカップ用平フタ、21,600円
- 入金合計:36,100円
入金額は2件の合計と一致しています。佐藤さんは取引先詳細の精算状況から売掛金額の行を開き、複数選択をタップ。2件にチェックを付け、画面下の「未払い額を支払う: 36,100」を確認して処理します。完了後、喫茶レンガの精算状況は精算完了、売掛金は0円になります。

1回の入金がどの2件を完済したのかを、販売ごとに正しく残せるのがこの方法の利点です。各販売を一つずつ開いて同じ操作を繰り返す必要もありません。
似た入口を混同しないようにします。精算状況カードの掛け履歴は取引先の増減履歴を見る場所です。複数選択や金額での入金に進むときは、同じカード内の売掛金額が表示された行を開きます。
また、売掛金一覧は初期状態で直近の期間を表示します。古い未収が見当たらないときは、削除されたと判断する前に、上部の日付範囲を広げてください。
3. どの納品分か分からない入金は、古い売掛金から充当
みのり食品から50,000円が振り込まれましたが、振込メモに販売番号も納品日もありません。売掛金一覧には、確定済みの販売が3件残っています。
- 9月5日:未晒し紙袋、24,000円
- 9月12日:サンドイッチ包装紙、36,000円
- 9月24日:クラフトソースカップ、17,000円
- 売掛金合計:77,000円
佐藤さんは対象を推測して選ばず、金額で入金から50,000円を処理します。Salesdocksでは、未収が残る確定販売に対し、取引日が古い順に入金額が充当されます。同じ日付なら、先に作成された販売が先です。
下の左画面は処理前の3件、右画面は処理後に残った2件です。9月5日の販売が消え、9月12日の表示が未納から一部支払いに変わっています。

計算すると、画面の変化がはっきりします。
- 50,000円 - 24,000円 = 26,000円。最も古い9月5日の販売は完済し、未収一覧から外れます。
- 次の販売は36,000円です。残り26,000円が充当されるため、未収は10,000円。そのため
一部支払いになります。 - 9月24日の17,000円に回す金額は残っていないので、全額が未納のままです。
処理後のみのり食品の売掛金は、10,000円 + 17,000円 = 27,000円です。50,000円を入金したのに「一部支払い」と表示されるのは異常ではありません。古い24,000円を完済し、次の36,000円のうち26,000円だけを支払った結果です。9月5日の行が見えなくなったのも、完済済みの販売が未収一覧から外れたためです。
金額で入金の対象は、売掛金が残る確定販売です。下書きや未確定の取引は充当対象になりません。また、対象となる売掛金合計を上回る金額は処理できないため、過入金に見える場合は金額や対象期間を確認します。
4. 紐づける販売がないときだけ、手動売掛金回収
川辺商店の9,000円は、Salesdocksを導入する前の紙台帳から移した期首残高です。アプリ内には、この売掛金を発生させた販売がありません。
佐藤さんは取引先の掛け履歴を開き、掛けを追加から取引タイプに手動売掛金回収を選びます。金額9,000円と実際の回収日を入力すると、-9,000円の回収行が追加され、売掛金合計は0円になります。

この入力欄には、現金・カード・銀行口座の選択がありません。手動回収は特定の販売に支払い履歴を作る機能ではなく、取引先の掛け残高を直接減らす処理だからです。
ここが注意点でもあります。Salesdocks内に元の販売があるのに手動回収を使うと、取引先の売掛金合計は減っても、その販売は未納のまま残る可能性があります。販売を特定できるなら1〜3の方法を使い、導入前残高や移行データなど、紐づけ先が本当にない場合に限って手動回収を使います。
合計金額だけでなく、販売との紐づけまで確認する
佐藤さんは最後に、次の順で帳簿を見直します。
- 入金は1件の販売、複数の販売、対象不明の金額、販売のない旧残高のどれか。
- 販売を指定した場合、その販売が完済・一部支払い・未納の想定どおりになっているか。
- 金額で入金した場合、古い販売が一覧から外れ、次の販売に残る金額を計算で説明できるか。
- 手動回収した場合、本当に紐づける販売が存在しないか。
- 支払い方法や日付を登録した場合、実際の受領内容と一致しているか。
売掛金管理は、入金があった事実だけを残す作業ではありません。どの納品代金が終わり、あといくら受け取るのかを説明できる状態にする作業です。